下らねえよと舌打ち、けどそれはひとりの体育館の中でひどく響いて ますます苛立った。朝、まだ日も昇らない(おせえんだよ、冬は)午前4時半、 ばかみたいに目が覚めて校門をよじ登って鍵を壊しておいた窓から侵入、 そうして一番乗りした体育館に響く自嘲の種が煩い、煩い煩い煩い!




「悪趣味っすね。」

吐き捨てられた。その目を一瞬に驚愕に見開いて、それからゆっくりとした瞬きの後、 悪趣味だと笑ったのだった。
「あんた、何考えてんすか。」
「俺はあんたのこと」(思い出したくもない、続きなんか)



その目は、憎悪の色。


「ばかみてえ。」
今ここにひとりで居るのは辛いと思った。早く誰か来ねえかなと見た時計はまだ かろうじて4時を告げていた。
「遅えんだよ、日昇んのも、時間進むのも。」
叫んでやるつもりで言ったことばは自分でも驚くほど勢いがなくこぼれた。涙が出そうだ。 情けなくて、笑ってしまう。
誰か来ねえかなと思った自分を軽々と裏切って、もう誰も来んなと思った。誰も、来んな。 来たとして、俺は普通に(あいさつをして、少し喋って、それから練習)なんか できるわけない、考えるのを止めていつも思い浮かぶのはあの目で。

言わなければよかったなんて死んでも思いたくないし、すきになったことも 絶対に恥じたくない、(むしろ堂々とグランドで叫んだっていい)、それでも思い浮かぶのは あの目で、







(まだ明けぬ、)
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三井書きやすい・・・!
(06.12.17)